人間社会における才能(能力)と役割と生き物としての性から生まれる歪みへの挑戦|天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ/著者:北野 唯我(きたの ゆいが) | 吉祥寺の30代(アラサー)編集ディレクター坂本の『メディア遊び』

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人間社会における才能(能力)と役割と生き物としての性から生まれる歪みへの挑戦|天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ/著者:北野 唯我(きたの ゆいが)

※この本、博士図書館に寄贈するので読みたい人はどうぞ。

 

今月の半ばあたりに購入したうちの1冊「天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ」。


もともと人や人が構成する「組織」を客観的に分類する考え方には興味があり、また「才能」という言葉には昔からコンプレックスと憧憬が入り混じった感情もあって、本屋に行って思わず購入。(きっかけは、Twitterだったか、Instagramだったかな?)

 

著者である「北野 唯我(きたの ゆいが)」さんは他に「転職の思考法」という本を書いているそうで、以前は博報堂に勤め、今は就活サイトのワンキャリアの執行役員に就いています。

 

既に出版社の書評や著者の意図などがWEBメディアを通じて取材形式などだ発信されており、同じ観点から書いても面白くない。ということで、この本を読んで「共感した考え」などの個人的見解を中心に書いていきます。

 

<そもそもどんな本なのか?>

この本では、社会に属する人を「創造性に優れる天才」と「再現性に優れる秀才」と「共感性に優れる凡人」に分け、さらに「それぞれを繋ぐ2つの素養を持った3つのアンバサダー」と言われる属性に分類して、これらの人々がなぜコミュニケーション不全に陥るのか、才能の芽はなぜ摘み取られてしまうのか、才能を摘んだあとの組織の構造はどうなるのか、などが物語の中の出来事として展開していきます。

 

<率直な読者としての感想>
思い切ったタイトルでしたがタイトル詐欺ということはなく、主題としてしっかり扱い、著者の見解を示しています。

この主題に対して「天才が殺されるまでの流れ」や「天才が2度殺されるタイミング」「殺された後に作られる構造」などは実際に想起することができ、共感できる点がとても多かったです。

普段自分を含む周囲の構図が客観的に文や図説で具体化されることで、自分の考えが及ばない死角であったところも補完できますね。

 

<全体的な構成について>
この本はビジネス関連の情報を扱いながら、物語を通じて情報を伝えるストーリー形式を採用しており、個人的には非常に読みやすかったです。安直な例えですが「君たちはどう生きるか」なども「テーマをどのような表現で読者に伝えるか?」という点で成功しており、多くの人に読まれていますよね。
図説はもちろん、適切な余白間をもって作られているため理解しやすく、読み終わるまでの時間もあまりかからないため、著者が伝えたいところがしっかりと頭に残ります。
個人的には物語終盤の流れに若干強引な印象も受けましたが、本来そこを楽しむ本というわけではないわけで、登場人物の描き方も程よく、全体的には引き込まれるように読み進められました。

 

<本書の考えに共感したポイント>
・組織内の人間のコミュニケーション不全を「評価の軸の違い(社会における価値観ともとれる)」で線引きして分類することで、俯瞰的に組織の中における自分以外の人間との違いを理解する手助けになる
・組織における役割(才能)のサイクルがわかりやすく説明されている(文明の発展と人口推移の関係に近いものを感じた)
・組織において、互いの役割を認識しあい相互作用させることの重要性と難しさと著者の憤り

 

<個人的に気になるところ>
「職場の人間関係に悩む、すべての人へ」とありますが、もっぱらこの手のフレーズで購入する人は「組織における人間関係」としてではなく、「個人に焦点を当てた人間模様」について悩みを抱えていることが多い気がします。そこはこの書籍のカバー範囲ではないため、手に取ったときにこのフレーズだけ違和感を覚えました。

 

ざっくりまとめるとこんな感じになりました。
間口が広く読みやすい本ですが、意外とハマる人とそうでない人がはっきりと分かれるような考え方、とも思いました。

僕は、考え方的には共感できることが多い方でした。


以下は、さらに掘り下げたこの本についての個人的な見解(読み方?)のようなものになります。

 

僕はこの本を「自分がなんの才能に分類されるかを知るための本」ではないと考えています(読みながら自分はこのタイプだ、とわかる人もいるのかもしれませんが)

 

僕自身も読んでみて自分自身がなにに当てはまるのか、よく考えてもイマイチ掴めませんでした。


その原因の一つに、この本では「天才」「秀才」「凡人」などに人間を分類をしていますが、実際には一人の人間にすべての素養が備わっており、そのバランスによって強く表面化しているものを分類していくからだと思います。

 

また、それぞれの才能(能力)についても先天的に備わる素養だけではなく、研鑽などで後天的に備わる能力も含むため、置かれている状況よってその姿(才能のバランス)は変わってくるのだと思います。

 

そして何よりも、大半の日本人は自分を「凡人」と定義してから周囲の才能を分類しがちなため、実際の職場における役割と合わなくなってしまう気がします(実際に読んだ同僚がそうでした)

 

先日読んだエニアグラムによるタイプ診断は、個人のパーソナリティから派生する資質を分類していたため、診断結果に自分の性格の一部を感じられました。

 

この本は、社会における役割を可視化、分類した上で、どのように世界を動かしていくべきかの筆者の理想を示しているため、「どこに自分が当てはまるかを探す」のではなく、「どこを自分が担うかを考える」形になるのだと思います。(そもそもこの2つの本は趣旨が異なるため、本来比較対象としては成り立ちませんが)

 

なので、この本に関して言えば、自己診断よりも、他人から客観的に分類してもらうことで自分の側面を理解する方が理に適っている気がします。

 

まずは自分で読んでみて、周囲の人も読んでから互いを考察しあうことで、自分や他人に新たな発見と興味、理解を示すきっかけにもなるかもしれませんね。

 

最後に。この本で分類されている凡人以外の「天才」「秀才」やそれ以外の才能ある人々は、この本の物語をどのように感じるのか気になるところ。もしかしたら、全然違う物語に感じているのかもしれない。この本を読んだ感想を具現化するだけでも、その人の才能を周囲が感じられるかもしれませんね。

2019.02.27 Wednesday

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